綴り確認


はじめに

翻訳中のスペルミスを修正するための、綴り確認機能を組み込むことができます。訳文テキスト中の単語のうち、綴り確認が必要なものを指し示すことができます。これは何ら驚く機能ではありません。OmegaT は、OpenOffice.org、Firefox や Thunderbird などにも使用されている Hunspell 綴り確認機能を使用しています。これらのプログラムを使用していれば、綴り確認機能に必要なファイルがすでにインストールされているので、あとは OmegaT でもこの機能を組み込むだけです。

いったん、綴り確認機能を有効にして、訳文言語用の辞書が利用可能な状態になると、綴り確認機能は、編集ペインに表示される訳文分節を確認するようになります。疑わしい単語の下には、赤い波線が表示されます。

波線が表示された単語(上図では Artund)の上で右クリックすると、訂正候補(上図では Art und)が表示されます。加えて、検出された単語を[全て無視](Ignore all)させることもできますし、[辞書へ追加](Add to dictionary)することもできます。この機能は、編集行の文章の綴りだけを確認するものなので、注意してください。テキスト全体の文章の綴りを確認する場合は、すべての文章に対して、波線の箇所を確認する必要があります。代わりに、他のアプリケーションで綴りを確認することもできます。ただしこの場合 OmegaT 以外での変更となるため、翻訳メモリにはその修正が反映されません。

[綴り確認]の設定

[設定]→[綴り確認...]をクリックすると、「綴り確認機能の設定」ウィンドウが開きます。

まず、組み込む辞書を OmegaT が選択するために、それが存在するフォルダを指定する必要があります。[選択...]をクリックして開くダイアログで、OpenOffice.org や Mozilla の辞書が存在するフォルダを選択します。もっとも簡単にファイルを見つけるには、拡張子が aff または dic のファイルを検索してください。OmegaT はその場所にある有効な辞書ファイルをすべて一覧表示します。使用する辞書が一覧に表示され、OmegaT から参照できる状態なら問題ありません。もし何も辞書が見つからない場合は、OmegaT に利用可能な辞書を検索させるため、適切な場所を選択した状態で[組み込み]をクリックしてください。表示されたウィンドウで必要な辞書を選択して[組み込み]をクリックしてください。選択された言語が組み込まれ、[綴り確認設定]ウィンドウの[利用可能な言語]欄に表示されます。(表示されるまでしばらく時間がかかります。)

辞書を組み込めるかどうかは、インターネット上に辞書の一覧があるかによるので、注意してください。見つかってもそれが古かった場合、希望の言語が含まれていなかった場合は、辞書を自分で探す必要があります。OpenOffice.org にはおそらくもっとも多くの辞書が存在し、OpenOffice.org Dictionary site で入手できます。辞書拡張機能をダウンロードし、インストールした後は、対応する affdic が利用可能になります。Firefox または Thunderbird にスペルチェック拡張機能を追加しても、同様に可能になります。この場合、綴り確認用のファイルは Firefox または Thunderbird のプロファイルに保存されます。

訳文言語の言語コードと、辞書の言語コードが一致していることを確認してください。例えば、FR-FR 辞書は、訳文言語設定が FR の場合は正しく機能しません。訳文に対応した辞書として適切に認識させるため、言語設定を FR-FR に変更する必要があります。ファイル名がその言語コードで、拡張子が affdic であるファイルを指定してください。

使用時のヒント

綴り確認機能が動作しない場合に考えられる原因は、以下の通りです:

  1. [自動綴り確認]にチェックが入っている必要があります。

  2. プロジェクトの設定から、訳文の言語コードと辞書の言語が一致しているかを確認してください。綴り確認機能は、訳文の言語コードから使用する言語を判別します。例えば、訳文言語がブラジルポルトガル語(PT_BR)である場合、辞書が存在するフォルダには次の 2 つのファイル: pt_br.affpt_br.dic が存在する必要があります。

すでにテキストの大部分を翻訳した後で、プロジェクト設定中の訳文の言語コードが辞書の言語と一致していないことに気づいた場合(例えば言語コードが pt_BR である一方、pt_BR 用の辞書が存在しない場合)は、単純に 2 つの辞書ファイルの名前を変更すれば問題ありません。(pt_PT.aff と pt_PT.dic をそれぞれ pt_BR.aff と pt_BR.dic に変更)もちろん、少し休憩を取ってから、適切な辞書ファイルをダウンロードしたほうがより賢明です。

※ご注意※[削除]ボタンを押すと、選択した辞書は物理的に削除されます。それがもし OpenOffice のファイルの一部であった場合は、そのアプリケーションからも参照できなくなってしまいます。どんな理由があるにせよ、別のフォルダに OmegaT 用の予備として関連したファイルを保存するのがよいでしょう。


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