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5. Fedora の変更点 - 開発者向け

5.1. 開発ツール

5.1.1. Ada

Ada は、信頼性と効率性が不可欠となる、大規模で長期間利用するアプリケーション – および特に組み込みシステム – のために設計されたモダンなプログラミング言語です。元々はフランスの CII-Honeywell-Bull において、ドクター Jean Ichbiah により率いられたチームによって1980年代初期(このバージョンは一般的に Ada 83 として知られています)に開発されました。言語は、アメリカの Intermetrics の Tucker Taft のリーダーシップの下、1990年代初期に上位互換性を持つ形式で改訂および改良されました。できあがった言語 Ada 95 は、最初の国際標準 (ISO) のオブジェクト指向言語です。ISO の後援で、さらなる(わずかな)改訂が規格の改正として完了しました。このバージョンの言語は Ada 2005 として知られています。作業は、いくつかの追加機能(プログラムアノテーションのサポートを含めて)において現在進行中で、2012年に完了することが予定されています。
Fedora 16 にはオープンソースの Ada の最新の開発ツールが収録されています。
  • Fedora 16 は Ada 開発用ツールの完全なスタックです: コンパイラー (gcc-gnat)、プロジェクトビルダー (gprbuild)、IDE (GPS) および他のいくつか
  • 一般的なツールに対する Ada バインディングが提供されます。GTK, Qt, zeromq, データベース (PostgreSQL, MySQL and SQLite) 他...

5.1.2. autoconf-archive

The GNU Autoconf Archive は 450個を超える GNU Autoconf のマクロが集められています。これらはすべて有志の貢献によってインターネット上から集められたフリーソフトウェアです。Fedora 16 にはバージョン 2011.04.12 が収録されています。このプロジェクトに関して詳しくは http://www.gnu.org/software/autoconf-archive/index.html をご参照ください。

5.1.3. be

Bugs Everywhere は 「分散型バグトラッカー」です。分散バージョン管理システムを補完するために設計されています。バグ状態のバックエンドとして分散バージョン管理を使用することにより、いくつかの便利な機能を利用できます:
  • ブランチにあるバグとコードが一緒に追跡されます—ブランチがマージされるとき、ブランチに含まれるコードの変更とバグの変更がお互いに一緒にマージされます。開発ブランチに適用されているが本番ブランチにまだ存在しないフィックスが、バグが「修正済み」を意味するかどうかについて、もはや混乱しなくて済みます。
  • 多くの集中化されたバグトラッカーと異なり、ユーザーはオフラインの間にもバグのステータスを完全に修正できます。
  • ユーザーがソースコードをチェックアウトするとき、自由にバグのステータスを取得できます。
  • ユーザーのためのフレンドリーなウェブインターフェースへのアクセスを提供できます — このモデルにおいて、ウェブインターフェースは、メインのリポジトリにマージするもう一つのクライアントになります。
Fedora 16 にはバージョン 1.0.1 が収録されます。

5.1.4. btparser

btparser はバックトレースのパーサーおよび分析ツールです。GNU デバッガーによって生成されたバックトレースを処理することができます。開発者はバックトレースのスレッドやフレームを分析し、それらをデバッガーで稼働できるように、C言語の構造体のツリーにバックトレースを使用してテキストファイルを解析することができます。https://fedorahosted.org/btparser/

5.1.5. caribou-devel

Caribou はテキスト入力の仕組みであり、UI操作アプリケーションはGNOMEオンスクリーンキーボードの代替として開発が進められています。Caribou のための大きな目標は、主に使うコンピューターにアクセスしやすい方法を多くの人々に提供するためのソリューションを作成することです。
当初の目標はハードウェアキーボードが使えないがマウスを使うことができる人々に適した埋め込み型のオンスクリーンキーボードを作ることです。このオンスクリーンキーボードはタッチスクリーンディスプレイやタブレットユーザーにとっても使いやすいものになるでしょう。http://live.gnome.org/Caribou

5.1.6. cddlib-static

cddlib は Motzkin 氏らの二重記述方法を実装する C言語のライブラリーです。すべての頂点(極端)と一般的な凸多面体の極端な光線を生成するためのライブラリーです。http://www.ifor.math.ethz.ch/~fukuda/cdd_home/

5.1.7. D2

D2 プログラミング言語が Fedora 16 で利用可能になりました。D は C/C++ に近い高いパフォーマンスを持ち、簡単な構文規則を持つモダンな言語です。C/C++ および Java の開発者は簡単に D に移行できます。
追加の詳細は Feature Page で入手可能です。D 言語の情報は http://www.digitalmars.com/d/2.0/index.html にあります。

5.1.8. emacs-ecb

emacs-ecb は Emacs をベースとしてコードブラウザーです。簡単なコードのナビゲーションと概要を確認する複数個の情報ウィンドウを表示します。
  • ディレクトリツリー、
  • カレントディレクトリーにあるソースファイルの一覧(VC ステートの完全なサポートと表示とともに)、
  • 現在のファイルにある関数/クラス/メソッド/... のリスト、(ECB は CEDET セマンティック、Imenu または etags によりサポートするすべての言語が ECB によっても自動的にサポートされるよう、このリストを取得するためにこれらのツールを使用します)
  • 最近使用したファイルの履歴(条件を指定してグループ化できます)、
  • いくつかのインテリセンスのために意味解析器に対して直接かつ自動で更新される ecb ウィンドウ、
  • Speedbar
  • コンパイル(コンパイルウィンドウ)および help や grep などのような他のモード、もしくはユーザーがこのウィンドウに表示するよう定義したものすべてからの出力。
詳しい情報は http://ecb.sourceforge.net/ をご参照ください。

5.1.9. frama-c

frama-c は C言語のソースコード分析ツールです。このツールはスタンドアローンもしくは Emacs に統合化された形態で利用することができます。frama-c にはソースコードブラウザーを搭載し、SLOC のように簡単なメトリックや、コール深度、プロジェクトの循環的複雑度を計算することができます。また、簡単なコールグラフを生成することもできます。コードについてのさまざまなアサーションはテストすることができ、いくつかの定理に照らしあわせてコードを検証することができます。frama-c はカスタムな分析を行うためにユーザーが書いたプラグインを追加することが可能です。frama-c について詳しくは http://frama-c.com/ をご参照ください。

5.1.10. GCC Python Plugins

GCC のプラグインが Python 2Python 3 に組み込まれて提供されます。開発者が有効化することで GCC の内部の動きをより簡単にフックすることができるようになります。(たとえば、新しいコンパイラーの警告を追加したり) 詳しくは 機能のページ\n をご参照ください。

5.1.11. jruby

jruby は Ruby 言語の Java 実装です。Ruby プログラマーに Java のプラットフォーム独立性を提供します。jruby のバージョン 1.6.2 が Fedora 16 に新しく収録されています。プロジェクトのページは http://jruby.org にあります。

5.1.12. libpipeline

libpipeline は柔軟かつ便利な方法でサブプロセスのパイプラインを操作するための関数群を提供します。http://libpipeline.nongnu.org/

5.1.13. osm-gps-map-devel

osm-gps-map-devel は OpenStreetMap の GTK+ のウィジェット(および Python のバインディング) です。GPS 座標を取得したり、GPS での追跡結果や地図上の興味のあるポイントを描画したりすることができます。地図データは openstreetmap.org を含む複数のウェブサイトからダウンロードすることができます。 http://nzjrs.github.com/osm-gps-map/

5.1.14. Perl 5.14

Fedora 16 には Perl 5.14 が収録されています。これは、Unicode バージョン 6 互換性、より信頼性の高い一貫した例外処理、IPv6 サポートの改善およびパフォーマンスとメモリー処理の改善を行っています。すべての変更点のリスト(構文の変更を含む)は、公式の Perl ドキュメントを参照してください: http://perldoc.perl.org/perl5140delta.html

5.1.15. qwtpolar-devel

qwtpolar-devel は極座標グラフをプロットするためのライブラリです。http://qwtpolar.sourceforge.net/

5.1.16. shunit2

shunit2 はシェルスクリプトに対する PyUnit や、JUnit のようなユニットテストフレームワークです。http://code.google.com/p/shunit2/

5.1.17. CPython 拡張の静的な分析

Fedora に GCC の gcc-with-cpychecker を採用しました。これにより C 言語で書いた Python 拡張モジュールにコンパイル時のチェックが追加されます。さまざまな一般の問題(参照カウントのミスなど)を検出することができます。

5.1.18. why-emacs

why-emacs は Why ソフトウェア検証ツールのための Emacs アドオンです。http://why.lri.fr/。Why は Ergo, haRVey および Zenon だけでなく他のものを含む多くの定理証明をサポートします。

5.1.19. wso2

Fedora 16 から新しく WSO2 Web Services Framework for C++ が収録されました。これは C++ にて Web サービスを提供したり、利用したりする際に利用するエンタープライズ品質の C++ ライブラリーです。Fedora にはこのフレームワークのバージョン 2.1.0 が含まれます。ドキュメントなどは http://wso2.org/project/wsf/cpp/2.0.0/docs/ をご参照ください。

5.2. Haskell

5.2.1. GHC

ghc は多くの バグの修正 とともに 7.0.4 へ更新されました。

5.2.2. Haskell Platform

haskell-platform は最新の安定した 2011.2.0.1 リリースに更新されました。

5.2.3. 新しいパッケージ

新しいパッケージは cabal-dev, leksah および、その他のさまざまな新しいライブラリーを含みます。