バルクリネーム ではいくつかの基準を使用して複数のファイルの名前を一度に変更できます。Thunar
にはバルクリネームが同梱されており、コマンド Thunar -B を入力するか、または Thunar
のメインエリア上で複数のファイルを選択し F2 キーを押すか、メインメニューから → を選択すると起動されます。
バルクリネーム はファイル名、ファイルの拡張子、またはその両方を変更できます。Thunar
は現在以下の 一括変更 をサポートしています:
文字の除去
ファイルの番号付け
日付または時刻の挿入
文字の挿入または上書き
文字の検索と置き換え
大文字、小文字、または先頭のみ大文字への変換
Thunar
プラグインには、バルクリネーム の機能を拡張するものもあります。Thunar Plugins ウェブサイトを訪れて、現在利用可能なエクステンションをチェックしてください。
ファイルマネージャ Thunar は、基本的なファイルシステムの抽象的な些事を何の問題も無くこなしますので、利用者はこれらを気にする必要はありません。とは言いながら、全体像を掴むために基本概念を理解しておくと後々役立つ場合があります。この章では、UNIX ファイルシステムの概念を手短に紹介します。これは、今日における Linux を含むあらゆる UNIX の派生 OS で用いられています。
UNIX ファイルシステムでは、すべてのファルダは一つの最上位フォルダから下へ向かって枝分かれしながら配置されていきます。逆さになった樹木の構造を想像してみてください。この最上位にあるフォルダはルートディレクトリ (ディレクトリ という用語は フォルダ の代わりによく使われます) と呼ばれ、Thunar では ファイルシステム として表示されます。つまり、ある地点に到達するまでフォルダからフォルダへとこの木構造を登って行き、その後に目標とする場所に着くまでサブフォルダを下って行くのです。
この木構造でのファイルやフォルダの位置はその パス で記すことができます。このパスというのは、目標とするフォルダやファイルにたどり着くために通過していかなければいけないフォルダのリストで、最上部のフォルダから始まります。例えば、/home/luke
は最上部フォルダのサブフォルダ home
のサブフォルダ luke
になります。/home/luke/myfile.txt
はそのサブフォルダにある myfile.txt
というファイルです。これらのパスの先頭にある /
は最上部フォルダを表します。
すべての利用者が個人用のファイルや設定を保管するための個別のフォルダを持ちます。このフォルダは ホームディレクトリ と呼ばれ、Thunar では利用者のログイン名と共に特別なアイコンで表示されます。Windows で知られる マイファイル と似ています。それぞれの利用者の ホームディレクトリ は通常 /home
の下にあります。例として上げると、ログイン名 luke
のホームディレクトリは /home/luke
になり、/home/jane
はログイン名が jane
のホームディレクトリになります。
もう御存知かもしれませんが、UNIX ではあらゆるものがファイルとして取り扱われます。UNIX システムを構成するほぼすべての物体がそういう風に取り扱われると考えて差し支えありません。事実、各種装置や周辺機器も特殊ファイルとして表されます。一見意味の無いように思われるかもしれませんが、これは UNIX やその派生 OS の強味の一つです。UNIX はシンプルなコアを何年にもわたって保守するだけでよいのに対して、他のオペレーティングシステムは新しいテクノロジーが紹介される度に、新しい概念を導入しなければなりませんでした。
UNIX ファイルシステムにおけるファイルの種類には、4 つの重要なものがあります。
普通のファイルは文字データを含んでいたり、プログラムまたは他のデータであったりします。ここには画像ファイル、オーディオファイル、オフィス文書および動画ファイルも入ります。ファイル という用語がこれら普通のファイルを指すのによく使用されます。
UNIX ファイルシステムではフォルダもファイルです。正確に言えばフォルダは特殊ファイルになります、このフォルダ内にあるすべてのファイルを参照するためのファイル名のマップが含まれています。
シンボリックリンク (よく リンク と呼ばれます) はファイルシステムで、他のファイルへのパスを含む特殊ファイルです。従ってシンボリックファイル自身は特に意味のある情報を持ちません、単に他のファイルを参照するだけです。