Thunar は、HAL サポート付きでビルドしたか、FreeBSD で使用していればリムーバブルメディアをサポートしています。
メディアの マウント とは、メディアのファイルシステムを作成し、アクセスできるようにすることです。メディアをマウントしたとき、メディアのファイルシステムがファイルシステムのサブディレクトリにアタッチされます。
メディアにアクセスする場合は、適切なデバイスにメディアを挿入するか、またはコンピュータに新しいデバイスを接続します (例: USB スティックを USB ポートに接続する)。すると、メディアを表すオブジェクトがファイルマネージャのサイドペインに追加されます。xfdesktop
が動作しており、ファイル/ランチャアイコン を表示する設定にしてあれば、このオブジェクトはデスクトップにも表示されます。
実際にメディアをマウントする場合は、メディアのオブジェクトをクリックします。例えば、フロッピーディスクをマウントする場合、サイドペインの フロッピードライブ オブジェクトをクリックします。ファイルマネージャはファイルシステムヒエラルキーにメディアのファイルシステムを追加し、メインエリアにフロッピーディスクの内容が表示されます。
メディアのドライブが自動排出可能なデバイス (例: CD-ROM ドライブ) ならば、サイドペインまたはデスクトップに表示されているメディアのオブジェクトの上で右クリックし、「取り出し」 を選択します。数秒後にドライブからメディアが排出されます。メディアのドライブが自動排出しない場合 (例: フロッピードライブや USB スティック) はメディアのオブジェクトの上で右クリックし、「マウント解除」 を選択します。間もなく安全にメディアを取り出せる、またはドライブをコンピュータから取り外してよい旨の通知が表示されます。
ただし、この通知は libnotify
サポートが有効になっている、かつ通知デーモンがインストールされている場合のみ表示されます。Xfce 用通知デーモンは Xfce Goodies Project から入手できます。通知サポートが無効になっている場合は、コンテキストメニューの表示が消えてからメディアを取り出すかドライブを取り外してください。
一つ以上のアプリケーションがメディアを使用している間はメディアの取り出しやマウント解除は行えないことに注意してください。ファイルマネージャがメディアの取り出しを拒んだ場合は、メディアにアクセスしているアプリケーションが動作していないか、Terminal
ウィンドウで動作しているものも含めて確認してください。
必ずメディアを取り出す前にマウント解除を行うようにしてください。フロッピーディスクをマウント解除する前にフロッピードライブから取り出さないでください。USB スティックをマウント解除する前にフラッシュドライブから取り外さないでください。先にマウント解除しておかないと、データを失ったり、システムクラッシュを引き起こしたりするかもしれません。
Thunar は thunar-volman パッケージがインストールされていればリムーバブルドライブとメディアの取扱いも自動で行えます。
HAL サポートが有効で、かつ thunar-volman
がインストールされていれば、Thunar の ボリューム管理 機能を有効にできます。ファイルマネージャの設定を開き、「詳細」 ページの 「ボリューム管理を有効にする」 ボタンにチェックマークをつけてください。
次にリムーバブルドライブとメディアの取扱いを必要に応じてカスタマイズします。「ボリューム管理」 セクションのボタンの右下にある 「設定」 リンクをクリックしてください。「リムーバブルドライブとメディア」 設定ダイアログが表示されます。
あなたが以前に gnome-volume-manager
を使用したことがあれば、すぐになじめるはずです。なぜならこの見た目と振る舞いは gnome-volume-manager
に似せて設計されているからです。設定は、デバイスに対する目的のオプションの場所がわかりやすいようにデバイスのカテゴリごとに分けられています。
「ストレージ」 ページには重要なオプションのほとんどが含まれています。この名前はここのオプションが、外付けハードディスクドライブ、USB スティック、あるいは CD-ROM のようなストレージデバイスにのみ適用されるものであることを意味しています。
このオプションを有効にすると、リムーバブルドライブ (外付けハードディスクドライブや USB スティックなど) がコンピュータに接続されたら自動的にファイルシステムをマウントします。
このオプションは、一部の機能をリムーバブルドライブに対して動作させる際に有効にする必要があります。例えば、このオプションを有効にしていないと、ある種の携帯音楽プレイヤーは検出されず、「マルチメディア」 ページの 「接続されたら音楽ファイルを再生する」 オプションを有効にしていても、携帯音楽プレイヤーがホットプラグされた際に指定されたコマンドは実行されません。
このオプションを有効にすると、リムーバブルメディア (CD-ROM や DVD など) がドライブに挿入されると自動的にファイルシステムをマウントします。
このオプションは、一部の機能をリムーバブルメディアに対して動作させる際に有効にする必要があります。例えば、このオプションを有効にしていないと、リムーバブルメディアが自動実行可能かどうか検出されず、「新しいドライブおよびメディア上のプログラムを自動実行する」 オプションはリムーバブルメディアに対して作用しません。
このオプションを有効にすると、新しく挿入されたメディアの内容が自動的にファイルマネージャに表示されます。ただし、他に実行できるアクションが存在しないか、あるいは他の実行できるアクションが無効にされている場合のみ内容が表示されることを覚えておいてください。
このオプションを有効にすると、一部のドライブやメディアの自動実行機能が使用されるようになります。自動実行メカニズムの詳細については Desktop Application Autostart Specification を参照してください。セキュリティ強化のため、常に自動実行するかどうかの確認が行われます。
Windows 互換レイヤ Wine がインストールされている場合、自動実行メカニズムは Wine を使用して autorun.exe
ファイルも実行しようとします。
このオプションを有効にすると、一部のリムーバブルドライブやメディアの自動オープン機能が使用されるようになります。自動オープンメカニズムについての詳細は Desktop Application Autostart Specification を参照してください。セキュリティ強化のため、常に自動的に開くかどうかの確認が行われます。
残りのオプションはある種のメディアがドライブに挿入されたとき、またはある種の外付けデバイスが接続されたときに指定したコマンドを実行できるようにします。コマンドは 3 種類の特殊変数が使用でき、コマンド実行時にそれぞれ以下のように置き換えられます:
%d
コマンドに %d
が指定されていると、それぞれが新しく追加されたデバイスのデバイスファイルパスに置き換えられます。例えば、USB スティックが接続された場合、デバイスファイルパスは /dev/da0s1
や /dev/sda1
(ハードウェア構成により変わります) のようになります。
デバイスに割り当てるデバイスファイルがなかったり、何らかの理由でデバイスファイルが見つけられなかった場合は、変数 %d
は空の文字列に置き換えられます。
%h
コマンドに %h
が指定されていると、それぞれ新しく追加されたデバイスの HAL UDI に置き換えられます。
%m
コマンドに %m
が指定されていると、それぞれ新しく追加されたデバイスがマウントされたマウントポイントに置き換えられます。マウントできないデバイス (プリンタやキーボードなど) や自動マウントが無効になっている場合は %m
は空の文字列に置き換えられます。
ボリュームマネージャが期待通りに動作しない時のトラブル解決に役立つ Tips です。
Thunar
がデーモンモードで動作しているか確認してください。ボリュームマネージャは Thunar
デーモンで動作していないと使用できません。デフォルトでは Xfce は起動時に Thunar
を自動的にデーモンとして起動します。なんらかの理由でこれを kill していた場合は、プログラムの実行を開き (キーボードショートカットの Alt+F2 を使用するか、デスクトップ上で右クリックしデスクトップメニューから 「プログラムの実行...」 を選択します)、 Thunar --daemon
と入力して をクリックします。
デバイスをホットプラグまたはメディアを挿入したあとに thunar-volman
を Terminal
ウィンドウから実行してみてください。その場合まず lshal
や hal-device
を使用して新しく追加したデバイスの HAL UDI を見つけ出さなければなりません。UDI が分かったら、Terminal
ウィンドウで thunar-volman --device-added <udi-of-your-device>
を実行し、出力されるエラーや警告メッセージを見てください。
それでもうまく動作しない場合は、Xfce Forum や thunar-dev mailing list で尋ねてみてください。