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2. Fedora の変更点 - デスクトップユーザー向け

2.1. デスクトップの変更点

2.1.1. 主なパッケージの変更点

2.1.1.1. man から man-db パッケージに変更されました。
man パッケージは man-db パッケージに置き換えられました。以下の同様の機能を提供します。
man の説明: man パッケージには、Linux システム上でドキュメントや情報を探すため manaproposwhatis という 3 つのツールが含まれています。man アプリケーションは、コマンドや関数のオンラインマニュアルを整形して表示するためのプログラムです。 apropos は whatis データベース (システムコマンドの簡単な説明の集まり) から文字列を探すためのプログラムです。 whatis は、自身のデータベースから完全な文字列を検索します。
man-db の説明: パッケージには、Linux システム上で man pageを閲覧するため manwhatisaproposmanpathlexgrog という 5 つのツールが含まれています。 man は事前整形されたマニュアルを表示します。 whatis はマニュアルの名前を検索します。apropos はマニュアルの名前と説明を検索します。 manpath はマニュアルの検索パスを表示します。 lexgrog はマニュアルのヘッダー情報を直接的に読みます。
2.1.1.2. Pino
Pino は Twitter の認証機構変更が原因で Twitter サービスを利用ことができません。機能が減ってしまったため、 Pino は identi.ca と Twitter に対するデフォルトのソーシャルネットワークプログラムではなくなります。その他のプログラム gwibber が Fedora リポジトリーから入手することができ、これが Pino と置き換わります。gwibber や、その他のプログラムをインストールするには メインメニューの システム管理ソフトウェアの追加/削除 から起動してください。

2.1.2. KDE 4.5

Fedora 14 には KDE SC ("Software Compilation") バージョン 4.5 が含まれます。KDE 開発者はバージョン 4.5 に利便性と安定性を追求しました。結果として、機敏で使いやすく、安定したデスクトップ環境が提供されます。多くのバグが修正されました。そのため、重要な改善点は見えないコンポーネント向けに行われています。KDE はあなたの使いやすいものを提供します。
2.1.2.1. KDE のバックグラウンド・コンポーネント
バックグラウンドコンポーネントには次の拡張が含まれています。
  • Phonon はKDE アプリケーション向けのサウンドサーバーです。Phonon は直接 PulseAudio サウンドサーバーを私用することができます。
  • 強化されたメモリーキャッシュ機能により、同じリソースを使う異なるアプリケーションが高速に動作するようになりした。(例えば、アイコンなど)
  • WebKit はWeb ページレンダリングエンジンです。KDE とは他の一般的なブラウザー SafariChrome で使われていますが、Konqueror とその他の KDE アプリケーションでも使えるようになりました。 Konqueror では機能改善として、Web 読み込みの速度が向上しました。
2.1.2.2. KDE Plasma ワークスペース
"Plasma" デスクトップとネットブックワークスペースに次の拡張が加わりました。
  • 通知エリアとシステムトレイの改善が行われました。アプリケーションアイコンが白黒だった場合、それらをもっと簡易的にします。ファイル転送やダウンロードなど長時間動作する処理のためにウィジェットに視覚的なプログレスバーが加わりました。
  • ウィンドウマネージャー KWin に多くの改善が加わりました。
    • "デスクトップグリッド" ビューの仮想デスクトップを追加および破棄できます。
    • ウィンドウタイル機能を使うことによって、ウィンドウを重ねることなく広げて並べることができます。
    • タイトルバーだけではなく、ウィンドウの何もないエリアをドラッグアンドドロップすることでウィンドウを動かすことができます。
  • Plasma ウィジェットの集合を "アクティビティー" として保存・復元することができます。例えば、1つのアクティビティーは、すべてのソーシャルネットワーク ウィジェットを集めるために、もう 1つのアクティビティーは、すべてのハードウェアモニター ウィジェットを集めるために使用したりすることができます。
2.1.2.3. KDE アプリケーション
バックグラウンドコンポーネントには次の拡張が含まれています。
  • 新しいゲームとして、 Kajongg という四人打ちの麻雀ソフトが追加されました。KDE の Python プログラミング言語拡張で書かれた初の KDE ゲームです。Python 拡張により、プログラマーはバグが少なく簡単にソフトウェアを書くことを可能にしました。
  • Marble 地球儀アプリケーションで旅行の計画をすることができるようになりました。この機能は OpenStreetmap と OpenRouteService の成果が元になっています。また、インターネットに接続できない場合でも、旅行の前にあらかじめ情報を読み込んでおくことで地図やルート情報を確認することができます。
  • Gwenview はドキュメントビューアーです。プロセッサー集中的な視覚効果を使っている場合、スムーズな表示を行います。もっと細かな設定も可能で、すべての条件で安定します。統合化された Flickr のアップローダー機能により、あなたの撮影した写真をより簡単にオンラインで共有することができます。
  • Dolphin ファイルマネージャーと KDE のコンポーネントを提供します。Nepomuk Semantic Desktop から提供されるメタデータを統合化することによりレーティング情報を表示します。

2.1.3. LXDE

Fedora 14 では Lightweight X Desktop Environment (LXDE) が提供されています。
LXDE の変更点としては次の内容が含まれます。
  • lxappearance がバージョン 0.5 に更新されました。外見の設定が刷新され、マウスカーソルに対するテーマの設定や、カスタムカラー、メニューとボタンのアイコンサイズ、アイコンの変更、ボタンのオン/オフ、イベント音の有効化など多くの機能が追加されました。
  • ディスプレイマネージャー lxdm は、バージョン 0.3.0 に更新されました。ユーザー一覧とタイムアウト機能が搭載されました。ログイン画面で言語とキーボードも選択することができます。これは Live CD で利用する場合にとても便利です。
  • lxterminal は、バージョン 0.1.9 に更新されました。このバージョンでは、ウィンドウマネージャーの透過処理がきちんとした実装で行われるようになりました。

2.1.4. MeeGo™

Fedora 14 には、MeeGo™ プロジェクトのソフトウェアセレクションを含みます。
MeeGo™ は、次世代のモバイル、デバイスプラットフォームのためのOS環境および開発環境です。Intel 社の Moblin プロジェクトと Nokia 社の Maemo プロジェクトが統合されて生まれました。Linux Foundation が後援しています。MeeGoはソフトウェアの豊かなセットと複数のアーキテクチャーと複数のAppStoreをサポートし、いろいろなアップストリームの自由でオープンソースソフトウェアプロジェクトによくマッチするライブラリーを提供します。Fedora 14は、MeeGo プロジェクトからソフトウェアの統合したサブセットを提供します。ユーザーはネットブックや他のモバイルデバイスなど、どのようなパソコンでもソフトウェアを試すことができます、そして、興味を持った開発者はこの刺激的な新しいプラットホームの開発に関与することができます。MeeGo からのソフトウェアの小さな部分が他の Fedora アプリケーションを改善するために含まれていないを注意すべきです、したがって、このサブセットは 100% の MeeGo コンプライアンスを達成することにはなっていません。

2.1.5. Sugar

Fedora 14 には、 Sugar 学習環境 (0.90) が含まれます。強化された活動を収録することは、開発者のための環境と同様に安定したデモ環境を Sugar に提供するために決められました。
このバージョンは最初のログインスクリーンとコントロールパネルの改善が主に行われています。そのほか、新しい機能としては 3G ネットワーク回線のサポートが挙げられます。

2.2. ネットワークキング

2.2.1. awstats

awstats バージョン 7 ベータが収録されています。このバージョンは Windows 7 クライアントの検出を可能にします。ローカライゼーションされた数値の表示が行えます。また、多くの新しい機能が追加されました。詳細は awstats-changelog から確認できます。

2.2.2. chatzilla

Fedora 14 には IRC クライアントとして chatzilla が含まれます。chatzillachatzilla-gnome が、すでにインストールされている場合、GNOME が irc: という URI に対応させることができます。

2.2.3. clamz

clamz は新しく Fedora に含まれます。これは Amazon の MP3 ダウンローダーのオープンソースにおける代替品です。clamz を使うことにより、Amazon's Music Store から購入した楽曲や完全なアルバムをダウンロードすることができるでしょう。
詳細は clamz の Web サイトをご参照ください。

2.2.4. claws-mail

claws-mail 3.7.6 には新しいフィルタリング機能が含まれます。いくつかのユーザーインタフェースの変更が行われました。そしていくつかの新しい翻訳が加わりました。 詳細な情報は summary news をご参照ください。

2.2.5. ekiga

ekiga は 3.2.7 へ更新されました。このリリースには多くの修正と、ユーザーインタフェースの変更が含まれます。多くの地域で使われることが多いものがデフォルトになっています。詳しくは、 ekiga 公式サイトの release notes をご覧ください。

2.2.6. emacs-w3m

emacs-w3m ページャーが提供されます。これは WWW にアクセスする能力があります。古い W3 ブラウザーよりも高速で、代替品として利用可能です。
詳細な情報は、emacs-w3m の Web サイトをご参照ください。

2.2.7. eurephia

eurephia が Fedora 14 で新しく追加されました。 eurephia は OpenVPN の認証プラグインです。深く知りたい場合は、 eurephia の Web サイトをご確認ください。

2.2.8. gnome-applet-netspeed

gnome-applet-netspeed はネットワークデバイスに流れるデータ転送量を計ることができる小さな GNOME アプレットです。 gnome-applet-netspeed は Fedora 14 から新しく追加されました。さらに詳しい情報は gnome.org-netspeed の Web サイトをご参照ください。

2.2.9. gnome-applet-remmina

Fedora 14 には、新しく gnome-applet-remmina が含まれます。これはリモートデスクトップクライアントで RDP, VNC, NX, XDMCP と SSH をサポートしています。さらに詳しい情報を確認したい場合は remmina.sourceforge.net をご参照ください。

2.2.10. gnome-gmail

gnome-gmail は GNOME デスクトップで Gmail をサポートします。Fedora 14 から新しく追加されます。詳細は ここ をご覧ください。

2.2.11. maildirproc

maildirproc はメール処理エージェントです。同様な機能のソフトウェアとしては procmail が挙げられます。しかし、 procmail のようなものではありません。 maildirproc は、すでに着信しているメールに対しても処理を行うことができます。詳細な情報は maildirproc の Web サイトをご参照ください。

2.2.12. openconnect

openconnect はバージョン2.22 から 2.24 へ更新されました、バグ修正と、いくつかのセキュリティー修正が含まれます。すべての詳細な情報を確認したい場合は、 openconnect の Web サイトをご確認ください。

2.3. 国際化

2.3.1. オンスクリーン入力

Input-pad は特殊文字やキーボードで入力しにくい文字を入力するためのツールです。
eekboard は新しい仮想キーボードです。X のキーボード配列を切り替えることができます。
新しい ibus-handwrite パッケージで中国語と日本語の漢字のオンスクリーン入力がサポートされます。

2.3.2. インプットメソッド

入力メソッド を使用しているユーザーで、古い Fedora からアップグレードする場合、ibus-gtk3 のような GTK3 の GTK immodules のインストールが必要になります。デスクトップで 入力メソッド パッケージが継続して利用できるように必要です。
im-chooser は imsettings を経由して、入力メソッド を完全に無効化することを許可します。X ローカルコンポーネントのサポートとして XIM を必要としない場合、つまり、ibus のような入力メソッドを使わない場合、GTK アプリケーション向けにControl+Shift+u による Unicode のコード入力を再び行えるようにしました。

2.3.3. フォント

2.3.3.1. 中国語
中国語簡体字のデスクトップでは、WenQuanYi ZenHei フォントがデフォルトになります。また、中国語繁体字のデスクトップでは、UMing フォントがデフォルトになります。
WenQuanYi ZenHei のための簡単なツール zenheiset では、デフォルトのアンチエリアシングとビットマップレンダリングを切り替えることができます。

2.4. マルチメディア

2.4.1. amarok

amarok は音楽プレイヤーです。今回、バージョン 2.3.1 にアップデートしました。プレイリストの自動生成機能や、近日のイベント開催スケジュールの表示機能など新しい機能が追加されました。詳細は、amarok.kde.org のウェブサイトをご参照ください。

2.4.2. audacity

audacity はバージョン 1.3.12 にアップデートしました。ユーザーインタフェースの改良と、ファイルリストのインポート性能の向上が図られました。詳細は audacity features-1.3 の公式ウェブサイトをご参照ください。

2.4.3. calibre

calibre は電子ブックリーダーです。0.7.10 でカスタマイズオプションが追加されたり、カラムレイアウトの保存機能が追加されました。
0.6.42 からの変更点をすべて確認したい場合、 calibre のウェブサイトをご確認ください。

2.4.4. clementine

Fedora 14 で新しく追加された clementine は、フル機能の音楽プレイヤーとライブラリー管理ソフトウェアです。clementine は昔のバージョンの amarok を移植して、追加機能を加えたものです。
もっと詳細な情報を入手したい場合、 clementine のウェブサイトをご参照ください。

2.4.5. gst123

gst123 は、コマンドラインインタフェースによる小さくシンプルな音楽プレイヤーです。gstreamer がサポートするすべての形式のファイルを再生することができます。
もっと詳細な情報を入手したい場合、gst123 のウェブサイトをご参照ください。

2.4.6. radiotray

radiotray は Fedora 14 で新しく追加されたシンプルなネットラジオプレイヤーです。もっと詳細な情報を入手したい場合、 radiotray.sourceforge.net をご参照ください。

2.4.7. xnoise

xnoise はメディアプレイヤーです。音声トラックを管理することができます。詳細な情報を入手したい場合は、 xnoise-media-player.com をご参照ください。

2.5. エンターテイメント

2.5.1. bsp

bsp は一般的な Doom のノードビルダーです。Fedora に含まれます。 bsp の互換性に関する情報や機能については、 games.moria.org.uk:bsp をご参照ください。

2.5.2. flaw

The Fantastic League of Almighty Wizards が Fedora に収録されます。詳細については flaw.sourceforge.net をご参照ください。

2.5.3. hedgewars-server

hedgewars-server のバージョン 0.9.12 が Fedora で提供されます。hedgewars について知りたい、また公認トレーラーについて確認したい場合、 hedgewars.org の Web サイトをご参照ください。

2.5.4. pmars

pmars が Fedora に新しく追加されました。詳細な情報については koth.org:pmars の Web サイトをご参照ください。

2.5.5. VoR

vor (Variations on Rockdodger) が Fedora 14 から新らたに追加されました。隕石をすり抜けるテンポの速い、単純なゲームです。詳細な情報は website をご参照ください。